コラム
2018.05.30
「テルペン」…実は身の回りのあちこちに存在しているのに、ほとんどの人がこの成分について知りません。食欲を刺激し、こころよい感情に導いてくれ、体調にもアプローチし、さらには癒しにもなると共に、元気づけてもくれる。そんな成分がこの「テルペン」なのです。
テルペンは植物の香りを特徴付ける化合物として、古くからアロマテラピーにおいてよく知られてきました。植物の精油に含まれる成分として知られるテルペンは、2年前と比べて約5倍も検索されるようになっており、世界的に注目されつつあります。さまざまな研究によって、テルペンにも秘められたパワーがあることが明らかになってきたからです。
テルペンはテルペノイドと言及されることもありますが、テルペノイドとはテルペンが酸化によって変性した状態をさします。また、テルペンにはその構造の違いによってモノテルペンやセスキテルペンなど、複数の種類があります。
フレッシュなオレンジをしぼる時、ブルーベリー・ジャムの瓶を開けた時、キッチンにひろがる香りの正体もテルペンであり、ラベンダーやバラの芳香も実はテルペンのなせるわざなのです。
●植物に香りや味、色を与える
テルペンは植物に含まれており、その植物固有の味やにおい、色のもととなる化学成分です。現時点では2万種以上のテルペンが特定されています。エッセンシャル・オイルの基礎成分であり、食品添加物、香水、アロマテラピーに多く用いられてきました。さまざまな健康問題への有用についても研究されています。
●200種のテルペンを含有するヘンプ
近年、ヘンプの健康面への有用性が語られています。ヘンプの持つ成分で最も有名なのがCBDです。ことに産業用ヘンプに含まれている成分CBDについては、欧州での生産と販売が合法です。
これら物質に加え、テルペンもまたヘンプの重要な成分です。ヘンプにおいては200種以上のテルペンが特定されており、そのうち60種が詳細にわたり分析されています。
●テルペンが注目される理由
テルペンは体内のカンナビノイド受容体と協力し合うとき、カンナビノイドのパワーを補助したり、またはコントロールしたりできることが研究機関で示されています。それ以来、ヘンプの栽培者やオイル抽出業者はテルペン量の増加や維持に注力しています。
テルペンはヘンプや麻特有の化合物カンナビノイドと同じような形で、人体に備わっているエンドカンナビノイドシステムを補うようです。テルペンはカンナビノイドが血液脳関門を通過するのをアシストします。例えば、ミルセンというテルペンは、カンナビノイドの吸収をより早くすることを可能にする細胞透過性を上げることが知られています。
またテルペンは健康的なバランスもサポートし、健やかな気持ちにしてくれます。
テルペンには数百種類が存在し、それぞれが独自の香りや有用性を持ちます。
ヘンプや大麻には100種類以上のテルペンが含まれていますが、中でも最も多く含まれているテルペンが以下の10種類です。肌や健康へのテルペンの作用を調べた研究により、医療大麻の新たな可能性が見出されています。ヘンプが持つテルペンの中でも、特に多く見られるものは下記の通りです。
■D-リモネン
あの爽やかなかんきつ類の香りのもととなるテルペンが、このD-リモネンです。レモンやオレンジ、グレープフルーツに大量に含まれています。研究によると、D-リモネンには抗菌作用があり、臨床実験では細胞にもアプローチすると報告されています。
■ミルセン
最も知られたテルペンのひとつが、ミルセンです。ほぼ全種の大麻草に含まれています。多くの植物がこのミルセンを有していますが、とりわけ月桂樹の葉、タイム、パセリは、ミルセンの特徴的な香りを放っています。また、土や草の風味もあります。健やかな心のリラクゼーションと心地よいリズムをサポートします。
■リナロール
ラベンダーの香りのもととなっているのが、このリナロール。他にも多くの花に含まれています。心を落ち着かせてくれます。
■αピネン
松葉の香りはお好きでしょうか?でしたら、それはαピネンのおかげ。ローズマリーや松などの植物だけでなく、ヘンプの全種類に存在するテルペンが、このαピネンです。
■ネロリドール
ネロリドールは最も有益なテルペンのひとつとされ、人体には広範囲に渡って有用性を発揮すると言われています。このテルペンはおだやかな香りを持ち、ショウガやジャスミン、レモングラス、ティーツリーに含まれています。
■フムレン
クローブやバジル、ホップに高濃度のフムレンが含有されています。ビールの特徴的な香りはこのフムレンによるものです。土や木のほのかな芳香を持ち、スパイシーなハーブ臭がします。ヘンプの場合、一般的には食欲を刺激する要素が多いことが指摘されています。
■ユーカリブトール
「ユーカリブトール」とも呼ばれるシネオールが主成分、免疫の活性化、ウイルスの増殖を抑えるので、抗菌にお役に立ちます。
■βカリオフィレン
胡椒、クローブ、バジルなどに含まれるスパイスの効いた香りがするテルペンです。βカリオフィレンは第二のカンナビノイドを呼ばれ、テルペンの中で唯一直接CB2受容体と結合し効果を発揮するということが特徴があります。
■ボルネオール
アロマテラピーとして使用され、気分が落ち込んだ時に穏やかな気持ちにしてくるメリットがあるとされます。
■テルピネオール
テルピネオールという香り成分には作動記憶に関わる脳領域の活動を高める効果があるとされています。
●パーフェクトな活性成分のバランス
スロベニアの大自然の中でオーガニックに栽培されたヘンプから抽出されるヘンプタッチのCBDオイルやCBDスキンケアには、多くのテルペンが自然そのままに含まれています。お互いの成分を強化する働きでCBDのパワーを最大限に引き出すテルペンの、豊かな効果をお楽しみください。