コラム
2018.12.01
CBDオイルの真価を決めるアントラージュ現象
CBD製品とひとくちにいっても、その成り立ちには大きく分けて2通りあります。ヘンプから抽出されるCBDエキスと精製された純度99%のCBDを元にしたCBDアイソレートタイプです。同じCBD(カンナビジオール)ではありますが、その影響力には明らかな違いが現れます。その理由を読み解くために、アントラージュ効果についてご説明しましょう。
アントラージュ現象とは?
アントラージュ現象とは、植物内に存在する数百の天然化合物が相互作用し、これら化合物が単一で出せない強力な影響を人体内に生み出すことを意味する言葉で、1998年にイスラエルの科学者ラファエル・メコーラムによって発見されました。すなわち、自然な状態で複数の化合物を組み合わせたときに生まれる結果は、部分の合計ではなく、増倍な影響が生まれます。異なる化合物が互いの潜在能力を増幅し合い、CBDの示す力をより強固にさせるのです。
つまり薬草学において、2+2=4ではなく5以上になります。
CBDオイルにおけるアントラージュ現象
CBDオイルの元となるヘンプには、数多くの化合物が含まれています。ヘンプ特有の化合物であるカンナビノイドだけでもCBDの他にCBG、CBN、CBCなど80以上存在すると言われています。さらに、テルペン、フラボノイド、ミネラル、ビタミンなどが含まれ、栄養素豊かな植物なのです。植物から直接抽出されたままのCBDオイルにはこれらの活性化合物がぎゅっとつまっていて、体内に摂取した際に相乗的影響をもたらします。
アントラージュ効果に貢献するのはカンナビノイドだけではありません。植物の香りをもたらす成分であるテルペンも大きく関わっています。テルペンはそれぞれ特徴的な香りを持つだけでなく、数々の健康上の利点も併せ持ち、アロマセラピーにおいても重要とされる成分です。ヘンプには200以上のテルペンが含まれていると言われており、代表的なものにリモネン、ミルセン、リナロール、ベータ・カリオフェレンなどがあります。
精製された高純度のCBD
CBD製品には、アイソレートやクリスタルと呼ばれるCBD濃度が99%以上の結晶でできたものがあります。これらは抽出されたCBDオイルをろ過・精製することでCBDのみを製品としています。したがって、通常は植物内に含まれているその他のカンナビノイドやテルペンは全く含まれていません。つまりこういった製品を摂取してもアントラージュ現象は発生しないのです。
また2015年にイスラエルのエルサレム大学が発表した精製されたCBDに関する研究では、精製CBDの投与量を増やしていくと、ある一定の量でそのパワーがピークに達し、それ以降は用量を増やしても反応は低下していく現象が起こることが分かりました。これは単体CBDの釣鐘状用量反応と呼ばれており、精製されたCBDしか入っていない製品の限界を示唆した結果でした。